世の中には多くの教育法、教育本があふれています。では、本当にこどもの為になる教育とは?
筆者が個人的に感銘を受けた世界の教育者を三人ピックアップしてみます。
アレクサンダー・サザーランド・ニイル

アレクサンダー・サザーランド・ニイルは、イギリスの新教育運動の教育家で、サマーヒル・スクールの創設者。
サマーヒル・スクールは、「世界で一番自由な学校」と言われており、日本を含め世界中にその影響を受けたスクールが存在しています。
子どもを学校に合わすのではなく、学校を子どもに合わせる
ニイルは「子どもを学校に合わすのではなく、学校を子どもに合わせる」という名言をのこしています。そして、まさにそのとおりの学校を作りました。
ニイルがもっとも大切だと考えたのは、こども達の幸福。
こどもを教育するにあたって最重要視されるのは幸福であり、そのためには自由を最大限認めるべきであるとしていました。
こども時代に自由を奪われ抑圧されることは、大人になってから心理的不調をきたす原因のひとつだと考えていたのです。
ニイルのサマーヒル・スクールでは、「子どもたちは強制よりも自由を与えることで最もよく学ぶ」という哲学が実践されています。
授業への出席を強要せず、生徒、教師の分け隔てなく民主的に物事が決められ、行われるのです。
サマーヒル・スクールそのものへは批判も多く、いくつかは納得のできるものです。
しかし、こどもの幸福を最優先するというニイルの考え方は素晴らしいと思わざるを得ません。
小林宗作

小林宗作は群馬県出身のリトミック研究者・幼児教育研究家。「窓ぎわのトットちゃん」に登場するトモエ学園の校長先生です。
君は、本当は、いい子なんだよ
トモエ学園では、「子どもを先生の計画にはめるな。自然の中に遊ばせておきなさい。先生の計画より子どもの夢のほうがずっと大きい」という校長先生の教育理念のもと、自由でのびやかな教育が行われていました。
その自由な空気の中で、あらゆるバックグラウンドを持ったこども達が、自分らしくいきいきと過ごしていた様子が「窓ぎわのトットちゃん」に描かれています。
それは、自分の居場所があるという自己肯定感を、こども達が育むことのできる環境でした。
トットちゃんに「君は、本当は、いい子なんだよ」と、ことあるごとに声をかけていたという校長先生。そして、トットちゃんのお返事は、「はい、私はいい子です!」。
明るく元気ながらも、どこかに疎外感を抱いていたであろうトットちゃんを、いつまでも励まし続けたのが、この言葉であり、校長先生との思い出でした。
トットちゃんのように「自分はいい子だ」と自分を信じることができれば、それは生涯の支えになります。そういった自己肯定感を与える教育が、こどもには必要です。
ヨハネ・ボスコ

ヨハネ・ボスコは、カトリック修道会・サレジオ会および扶助者聖母会の創立者であり、教育者。ドン・ボスコと呼ばれています。
愛するだけでは足りません。愛されていることが分かるように愛しなさい
19世紀後半、イタリア統一運動や産業革命がおこり、その影響から劣悪な労働環境にさらされ、教育を受ける機会のない少年が街にあふれていました。
そんな少年達を導くことに生涯を捧げることを誓ったのが、カトリック司祭のヨハネ・ボスコ。ヨハネ・ボスコは少年達を集め、生活と教育の場を与えました。
それが、ヨハネ・ボスコによる少年のための教育事業「オラトリオ」のはじまりです。
「オラトリオ」には多くの少年達が集まり、生活を共にしていました。その中で、ヨハネ・ボスコは少年達一人一人に声をかけ、深く愛しました。
少年達は皆、自分こそがヨハネ・ボスコに愛されていると自信をもっていたと言います。
世の中から見離され、愛されずにすさんでいた少年達でしたが、「オラトリオ」での生活を通じてしだいに更正して行きます。
彼らはヨハネ・ボスコから愛されることで愛を知り、自分と周りとを尊重し愛することを知ったのです。
「愛するだけでは足りません。愛されていることが分かるように愛しなさい」とは、ヨハネ・ボスコが教師に教えたことだそうですが、こども達は愛されるべき存在です。
本当にこどものための教育に不可欠なのは、愛なのです。
最後に
これらは全て筆者の娘の小学校受験にあたり、進学先を探す中で出会い、共感した教育です。
今も思い返しては、日々の教訓としています。







